こんばんは、オヤジです。
ユネスコ世界文化遺産に登録されている古都マラッカは、豊かな歴史と多様な文化が魅力の街です。かつて東西交易の要衝として繁栄し、ポルトガル、オランダ、イギリス、そして旧日本軍による支配を経て、独自の文化を育んできました。
マラッカ観光の目玉である世界遺産巡りの合間に博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。街の中心地、特にオランダ広場周辺には多くの博物館が集中しており、徒歩で巡ることができます。
この記事では、マラッカの深い歴史と多様な文化に触れることができる特におすすめの博物館を厳選してご紹介します。
ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館(Baba & Nyonya Heritage Museum)
マラッカを代表する観光スポットの一つが、ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館です。

ここは、プラナカンの一族が実際に暮らした邸宅を博物館にしたハウスミュージアムです。
プラナカンとは中華系移民と、現地のマレー系などの民族との混血の子孫を指す言葉で、地元の風習に溶け込み独自の文化を育んできました。男性はババ、女性はニョニャと呼ばれます。
マラッカの古い街並み、特にヒーレン通り(別名「百万ドル長者通り」)には、プラナカン様式の建物が多く残っています。この博物館は、裕福な中華系プラナカンである曾(Chan)一族のかつての邸宅をそのまま公開しています。
邸宅は1861年に取得された土地に1896年に建てられ、3つのテラスロットで構成され、生活スペースと使用人用スペースに分かれています。中国、マレー、オランダ、ポルトガルなど多様な建築様式が融合し、独自の美を誇ります。


館内は応接間、ダイニングルーム、祖先を祀るホール、キッチン、中庭、婚礼の部屋、書斎など、当時のプラナカンの生活空間が再現されています。重厚な調度品や精緻な彫刻が目を引きます。
館内のQRコードをスキャンすれば、日本語で詳細な解説を読むことができます。
住所 | 48-50 Jalan Tun Tan Cheng Lock, 75200 Melaka |
電話番号 | +6062821273 |
公式サイト | babanyonyamuseum.com |
営業時間 | 月、水〜金:10:00〜16:15 土・日:10:00〜16:45 |
定休日 | 火曜日 |
入場料 | 25リンギット(約850円) |
所要時間目安 | 約1時間 |
鄭和文化博物館(Cheng Ho Cultual Museum)
鄭和文化博物館は、中国明代の偉大な航海者・鄭和(チェンホー)を記念した博物館です。鄭和は1405年から7回にわたり大規模な艦隊を率いて南海遠征を行い、マラッカを東西交易の拠点として発展させた非常に重要な人物です。

マラッカ中心部、オランダ広場からマラッカ川を渡ってすぐの場所にある鄭和文化博物館は、明代に設置された中国の官庁跡地に建てられ、鄭和の初航海600年を記念して設立されました。

館内には、鄭和の航海図、艦隊の模型、民族衣装、交易品、生活様式のジオラマなど1000点以上の資料が展示されています。


鄭和艦隊の護衛を受け、15世紀にマラッカが東西交易の拠点として栄えた様子も再現され、映像やパネルを通じて、鄭和の人物像や中国との関係について学べます。博物館は、彼の偉業を伝えるだけでなく、500年以上続くマラッカの中国系住民の歴史や貢献も紹介しています。
個人的には最も印象に残った博物館です。歴史に興味のある方はぜひ訪れてください。
住所 | 51 Lorong Hang Jebat, 75200 Malacca |
電話番号 | +602888571 |
公式サイト | https://www.facebook.com/chenghomuseum/ |
営業時間 | 月〜木:9:00〜17:15 金〜日:9:00〜18:00 |
定休日 | 無休 |
入場料 | 15リンギット(約510円) |
所要時間目安 | 約1時間 |
スタダイス(Stadthuys, 歴史民族誌博物館)
マラッカ観光の中心であるオランダ広場のすぐ目の前にあるスタダイスも必見です。この建物は、かつてオランダ統治時代に総督官邸や行政を行う役場として使われていた歴史的建造物で、現在は博物館として一般公開されています。

スタダイスとはオランダ語で「タウンホール」「シティホール」「議事堂・市役所」を意味します。1650年代に建設され、もともとは白色でしたが、1820年代に塗り替えられて現在の象徴的なレッドピング色になりました。
スタダイスの建物内の歴史民族誌博物館では、1396年のマラッカ王国の成立から、ポルトガル、オランダ、イギリスによる植民地支配、旧日本軍による占領、そして1957年にマラヤ連邦として独立するまでの激動の歴史を学ぶことができます。


展示内容は歴史資料、民族衣装、工芸品、伝統的な生活用具など多岐にわたり、マラッカの多様な民族(マレー系、中国系、インド系、プラナカンなど)の文化や暮らしも詳しく紹介されています
スタダイスのあるエリア一帯は博物館群となっており、下記の博物館の入場料も含まれています。
- 鄭和ギャラリー(Cheng Ho Gallery)
- 文学博物館(Museum of Literature)
- 教育博物館(Education Museum)
- 民主政府博物館(Democratic Government Museum)
- 総督博物館(Governors Museum)

鄭和ギャラリーは館内(3階)にありますので、ぜひ足を伸ばしてください。裏庭には鄭和の大きな像があります。
住所 | 31, Jalan Laksamana, Banda Hilir, 75000 Melaka |
電話番号 | +606-282 1273 |
営業時間 | 9:00〜17:30 *金曜日の午後12:45~14:45まで休館 |
定休日 | なし |
入場料 | 20リンギット(約680円) |
所要時間目安 | 1時間以上 |
マラッカ・スルタン・パレス(Melaka Sultanate Palace)
マラッカ・スルタン・パレス(Melaka Sultanate Palace)は、15世紀に栄えたマラッカ王国の王宮を、1984年に歴史文書「マラヤ年代史(スジャマラユ)」や「マレー王統記」をもとに復元した木造高床式の建築です。元の王宮は1511年のポルトガル軍侵攻で焼失しましたが、文献に基づいて建築様式や規模が推定され、再建されました。

この王宮は、伝統的なマレー建築を忠実に再現し、釘を一本も使わず組木で建てられている点が特徴です。幅74mにも及ぶ巨大な構造で、建材や建築技法も当時のものが踏襲されています。


現在は「マラッカ・スルタン・パレス」として公開され、王朝時代の歴史や文化、王族の衣装、装飾品、武器、交易の様子などを展示。1階には1409年にスルタン・パラメスワラが明の提督・鄭和を迎えた場面を再現したろう人形があり、2階には民族衣装やイスラム関連の品々が並びます。
博物館はマラッカ市中心部、サンチャゴ砦近くに位置し、アクセスも便利です。マレーシアの伝統建築と歴史を体感できる貴重なスポットです。
住所 | Jl. Kota, Bandar Hilir, 75000 Malacca |
電話番号 | +602826526 |
公式サイト | http://www.perzim.gov.my/ |
営業時間 | 9:00〜17:30 *金曜日の午後12:45~14:45まで休館 |
定休日 | 月曜日 |
入場料 | 20リンギット(約680円) |
所要時間目安 | 約1時間 |
マラッカ海洋博物館
マラッカ川沿いにそびえ立つ、ひときわ目を引く帆船の形をした建物がマラッカ海洋博物館です。

この巨大な船は、約500年前にマラッカ海峡で沈没したポルトガル船「フロール・デ・ラ・マール号」を復元したもので非常にインパクトのある建物です。


船の中に入ると、当時のマラッカが海洋交易でいかに栄えていたか、そしてどのようにして外国の植民地になっていったかという歴史的経緯が展示されています。当時の航海の様子がわかる船の模型や、交易品、貨幣・紙幣など、様々な展示品を見ることができます。
有名な鄭和の大航海図(マラッカへの航海路や朝貢国である表示)も展示されており、この博物館でも鄭和の大航海は一目置かれた存在だと感じられます。
説明はマレーシア語と英語のみですが、展示物を見るだけでも十分に楽しめます。
住所 | Jl. Quayside, Melaka |
電話番号 | +602826526 |
公式サイト | https://perzim.gov.my/ |
営業時間 | 9:00〜17:30 *金曜日の午後12:45~14:45まで休館 |
定休日 | 月曜日 |
入場料 | 20リンギット(約680円) |
所要時間目安 | 約1時間 |
博物館のロケーション
今回ご紹介した博物館は、すべて徒歩で回ることができます。それぞれの博物館の位置をGoogleマップでご紹介します。
入場料は2025年1月現在のものです。また多くの博物館が金曜日は午後12:45〜14:45頃まで休館となりますのでご注意ください。
まとめ
マラッカには、歴史、文化、生活様式など、様々な側面に光を当てる多様な博物館が多く存在しています。中心地にある博物館は徒歩で巡ることができ、効率よく見て回ることができます。
今回ご紹介した博物館以外にも、ユニークな視点から歴史や文化を紹介する様々なタイプの博物館があります。
これらの博物館を巡ることで、マラッカという街が辿ってきた激動の歴史、そしてそこに暮らす多様な民族や文化について、より深く理解できることでしょう。
マラッカ観光の際には、興味のあるテーマに合わせて博物館を選んで訪れることで、充実した時間を過ごせるはずです。
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