こんばんは、オヤジです。
海外における通信手段は、近年大きな変化を遂げています。以前は私も現地SIMや世界中で使えるSIMを利用していましたが、最近は「eSIM(イーシム)」を使うことが増えています。
eSIMは、その手軽さと利便性から多くの旅行者にとっておすすめですが、サービスごとの特徴や使い方を理解しておくことが、快適に利用するための鍵となります。
この記事では、eSIMの基本、設定方法から、おすすめのeSIM、そして現地で困らないためのノウハウまで、詳細に解説します。
eSIMの基礎知識
eSIMとは、「Embedded SIM(組み込み型SIM)」の略称で、スマートフォンやタブレット本体にあらかじめ内蔵されたチップに、インターネット経由で契約情報を書き込んで利用するSIMの新しい形です。
従来のSIMカードは、取り外し可能な物理的なICカードでしたが、eSIMは端末本体に内蔵されているため、カードの抜き差しが不要です。
eSIMを利用するには、「プロファイル」と呼ばれる契約者の電話番号などの情報が入ったデータを、通信事業者からダウンロードしてアクティベートする必要があります。このプロファイルの提供方法は、主にQRコード、番号入力、または専用アプリを介したダウンロードのいずれかです。
eSIMを選ぶべき理由と利便性
eSIMを海外旅行時におすすめするのは、物理SIMにはない多くのメリットがあるからです。
物理的な手間から解放される
eSIMの最大の魅力は、物理的なSIMカードの抜き差しや保管が不要なことです。旅行のたびに小さなSIMピンを探したり、もともと使っていた日本のSIMカードを紛失したりするリスクがなくなります。
また、購入から開通まで全ての手続きがオンラインで即時に完結するため、物理SIMカードのように空港で購入したり、郵送で届くのを待つ必要がなく、QRコードを読み取るだけで最短数分で開通できます。
デュアルSIMの運用
eSIM対応端末は、「デュアルSIM」機能を利用できます。これにより、1台のスマートフォンで「eSIM+物理SIM」または「eSIM+eSIM」の2つの回線を同時に運用することが可能です。
例えば、日本の主回線を音声通話の受信専用にし、海外用eSIMをデータ通信専用として利用することで、日本の電話番号を維持したまま現地でデータ通信を行うなど、柔軟な使い分けが可能です。
高額請求リスクの回避と即時開通
トラベラー向けのeSIMはプリペイド式が採用されており、購入したデータ容量を使い切ると通信が停止(または速度が低下)する仕組みです。
これにより、高額な国際ローミング料金が請求されるリスクを回避でき、安心して利用できます。
さらに、設定を出国前に済ませられるため、現地空港に到着した瞬間にインターネットに接続できるという即時性も、大きなメリットです。
複数国訪問、及び中国訪問時のメリット
eSIMが特に便利だと感じるのは、複数国を訪問するときと中国に訪問するときです。複数国訪問時は、あらかじめ複数の渡航国で利用できるeSIMを購入しておけば、国を移動しても何の変更もせずに使い続けることが可能です。
また、中国の回線ではGoogleやLINEなど私たちが普段使っているサービスを使うことができません。中国でそれらのサービスを使う場合はVPNが推奨されていますが、VPNは無料のものは不安定であり、高性能なものは比較的高額です。
しかし、ローミングタイプのeSIMを選べば、VPNなしで中国でも普段使っているサービスが利用可能になります。
eSIM利用における注意点
eSIMは非常に便利ですが、制約やデメリットも存在します。
対応機種の限定と事前確認の重要性
eSIMは比較的新しい技術であるため、すべてのスマートフォンに対応しているわけではありません。一般的にiPhone XS/XR以降やGoogle Pixel 3以降など、新しい機種が必要とされます。特にAndroid機種については、販売国やキャリアによって対応状況が異なる場合があるため、注意が必要です。
中国製の廉価スマートフォンは、eSIMに対応していない場合が多いため注意が必要です。

ご自身の端末がeSIMに対応しているかどうかは、電話アプリで「*#06#」を発信し、端末情報一覧にEID(Embedded Identity Document)が表示されるかを確認することで、確実にチェックできます。
SIMロックがかかっている端末ではeSIMが利用できないため、事前にSIMロック解除を済ませておく必要もあります。
データ通信専用プランの多さと電話番号の必要性
海外旅行者向けのeSIMプランの多くはデータ通信専用であり、電話番号やSMS機能が付与されません。そのため、現地でのレストラン予約やSMS認証が必要なサービスを利用する場合に不便を感じる可能性があります。
通話が必要な場合は、LINEやWhatsApp、FaceTimeオーディオなどのデータ通信を利用した通話アプリで代用するか、別途、電話番号付きのプランを選ぶ必要があります。
設定時の手間とプロファイル削除のリスク
eSIMの設定には、プロファイルをダウンロードする必要がありますが、安定した通信環境が必須です。日本で出国前にダウンロードするか、現地到着後空港のフリーWi-Fiでダウンロードする必要があります。
初めて行く国の場合、念のため、日本でダウンロードしておくことを推奨します。
また、注意点として、 多くのeSIMプランでは、インストールに必要なQRコードは原則として一度しか使用できません。
一度ダウンロード(インストール)したeSIMのプロファイルを誤って削除してしまうと、再利用できなくなり、再発行が必要になるため、利用終了までは絶対に削除しないよう注意が必要です。
有効日数のカウント方法
eSIMのプランにより有効日数のカウント方法が変わります。
アクティベーションからカウントされるタイプのプランもありますが、eSIMを発行している通信会社の国の午前0時に日付が切り替わるプランが多いです。
例えば香港の会社が発行している会社のSIMを使い、バンコク到着が24時直前の場合、到着翌日からのプランにしないと、1日分を全く使わないことになります。
海外旅行におすすめのeSIMサービス
私も様々なeSIMを利用しましたが、その中でおすすめが「KKday」から選ぶeSIMと、グローバルeSIMサービス「AIRSIMe」の2つです。
KKdayは厳密にはeSIMではなくオンライントラベルエージェント(OTA)ですが、リーズナブルなeSIMプランが数多く用意されていますので、少しでも安く海外旅行時の通信を確保したい方におすすめです。
通信品質については、両サービスとも現地の大手キャリア回線を利用していますので、都市部や観光地では安定した高速通信が期待できます。
圧倒的なコストパフォーマンス「KKday eSIM」
KKday(ケーケーデイ)は台湾発祥の大手OTAで、eSIMプランを非常に競争力のある価格で提供しています。
KKdayのeSIMの最大の魅力は、価格の安さとプランの豊富さです。韓国や台湾などアジア主要国では、データ無制限プランが1日数百円台から用意されているなど、他社平均より割安なプランが多く、コストパフォーマンスが高いです。最安プランでは100円程度から購入できるものもあります。
設定は、メールで届くQRコードを読み込む、もしくはアプリでワンタップするだけでアクティベーションが完了する手軽さが好評です。
また、アプリを通した日本語によるチャットや通話のサポートもあるため、初心者でも安心して利用できます。
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KKdayで購入したeSIMの利用手順
KKdayのeSIMは、購入後にメールで送付されるQRコードを使って設定するのが一般的です。
- 【出発前】プロファイルのインストール:
- メールやアプリにQRコードが記載されたバウチャーが送られてきます。
- 安定した通信環境下で、スマートフォンの「設定」から「モバイル通信」(または「ネットワークとインターネット」)に進み、「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」を選択します。
- 届いたQRコードをスキャンするか、(対応している場合は)アプリ内の「ワンクリックインストールボタン」をタップしてプロファイルをインストールし、回線の名称を「KKday」など、分かりやすい名前に変更しておきましょう。
- インストールが完了しても、ローミングをOFFにしていれば、日数のカウント開始には影響しないプランが一般的です。
- 【現地到着後】アクティベーションとデータローミングON:
- 現地到着後は、機内モードをONのまま(または解除直後に)、「設定」→「モバイル通信」で日本の主回線(SIM)のモバイルデータ通信をOFFにします。
- インストールしたKKdayのeSIMをオンにし、[モバイルデータ通信]でKKdayの回線を選択します。
- データローミングをONに設定します。海外旅行用eSIMの多くは、ローミングをオンにしないと通信できません。
格安SIMを利用されている場合は、そのSIM用のプロファイルを削除してください。
世界を股にかけるグローバル対応「AIRSIMe」
AIRSIMeは、香港を拠点とする国際通信事業者Shinetown Telecomが提供するeSIMサービスです。世界130以上の国と地域で利用できる広範囲の対応力が特徴です。
AIRSIMeの大きな特徴は、専用のAIRTALK ROAMアプリをダウンロードすることにより、30分間無料で世界中のどこにでもアプリ経由で電話することができます。
また、48時間以内のプランであれば、アクティベートした時間からカウントされますので、弾丸旅行時に特に威力を発揮します。
AIRSIMeの特徴は下記のとおりです。
- 専用アプリによる管理: サービスを利用するには、AIRSIM ROAMとAIRTALK ROAMの2つのモバイルアプリをダウンロードすることが推奨されています。データパッケージの購入や残高管理はAIRSIM ROAMアプリで行います。
- 無料通話(AIRTALK)機能付き: データパッケージを購入すると、30分間の無料AIRTALKトークタイムが付与されます。この無料通話はAIRTALK ROAMアプリを介して、目的地でのローカル通話や、海外から自宅へ電話をかける際に利用できます。
- アカウントの有効期限延長: データパッケージを購入またはチャージするたびに、AIRSIMeアカウントの有効期限が自動的に1年間延長されるため、継続的に利用しやすい設計です。
世界130以上の地域をカバーするグローバルトラベルeSIM "AIRSIMe"をKKdayではお得に購入できます。
AIRSIMe(アプリ/QRコード方式)の利用手順
AIRSIMeのデータパッケージは、ウェブサイトまたはAIRSIM ROAMアプリから購入可能で、eSIMは選択した「Effective Date(有効日)」の2日前に準備が整います。
AIRSIMeは、eSIMのプロファイルをダウンロード(インストール)した時点でデータパッケージが有効化されるため、旅行に出発する直前か現地でダウンロードすることが推奨されています。
- 【出発直前/現地到着後】データパッケージの購入とeSIMのダウンロード:
- AIRSIM ROAMアプリ内で目的地、期間、データ容量を選択し決済します。
- eSIMのダウンロードは、AIRSIM ROAM APP内の [Valid Package] と [eSIM Download] から直接行う方法か、アプリに表示されたりメールで受信したりするQRコードをスキャンする方法で行います。ダウンロードには安定したインターネット接続が必要です。インストール後、回線の名称を「AIRSIM」など、分かりやすい名前に変更しておきましょう。
- 【現地到着後】アクティベーションとデータローミングON:
- 現地到着後、端末のモバイル通信設定からダウンロードしたeSIMをONにし、[データローミング]をONにします。
- [モバイルデータ通信]をAIRSIMe回線に切り替えて、インターネット接続を開始します。
- ほとんどの地域ではAPN(アクセスポイント名)の変更は不要ですが、一部の場所では手動でAPNの変更を要求される場合があるため、接続できない場合は確認が必要です。
AIRSIMについては以前書いた物理SIMの記事もご参照ください。
トラブルシューティング:現地で繋がらない時の対処法
eSIMが現地でうまく接続できない場合は、設定の見落としが原因であることが多いため、次の手順を順に確認することで解決することがあります。
- データローミングの確認: 利用したいeSIMのデータローミングがONになっているかを再確認します。
- 回線選択の確認: 端末の「モバイルデータ通信」の設定で、利用したいeSIMの回線が優先データ回線として選択されているかを確認し、日本の回線はオフになっているかチェックします。
- 機内モードの切り替え: 機内モードをONにして10秒以上待ち、再度OFFにすることで通信セッションがリセットされ、接続が改善することがあります。
- 端末の再起動: 上記で改善しない場合は、スマートフォンを再起動してみてください。
- APN設定の確認: 基本的には自動設定されますが、、接続できない場合は、プロバイダーから提供されたAPN情報(例:
3gnetなど)を手動で入力します。 - プロファイルの削除: 日本でのメイン回線が格安SIMをご利用の場合、そのプロファイルが削除されていることを確認してください。
賢い使い分け
おすすめとしてKKdayで扱っているeSIMとAIRSIMeをご紹介しましたが、私の使い分けは下記のとおりです。
現地滞在が48時間以内の場合や、渡航先の国の航空会社以外を利用する場合はAIRSIMe、それ以外はKKdayを利用
なぜ渡航先の国の航空会社以外を利用する際にAIRSIMeを選ぶのかというと、以前ANAでマニラに行った際に、復路便が欠航になり、その時にアメリカのサポートセンターに電話するように言われたからです。
海外から海外電話をかけるのはかなりハードルが高いので、無料通話オプションの付いたAIRSIMeを選択しています。
渡航先の国のエアラインを選んだ場合は、空港にカウンターがありますので、電話する必要がありませんので、KKdayで、よりリーズナブルなeSIMを選択しています。
まとめ
eSIMは物理的な制約から解放され、契約から開通までをオンラインで完結できる、海外旅行における最もスマートで経済的な通信手段の一つです。
今回の記事が快適な海外旅行の一助になれば幸いです。


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