こんばんは、オヤジです。
マレーシアには魅力的な都市がたくさんありますが、中でも特にユニークな歴史を持つのが古都マラッカです。東西貿易の要衝として栄え、様々な国の影響を受けてきたマラッカは、街全体が歴史博物館のようで、訪れる人々を魅了しています。
今回は、ユネスコ世界文化遺産にも登録されているマラッカの魅力をご紹介します!
マラッカの歴史と世界遺産登録
マラッカの起源は15世紀にさかのぼります。スマトラ島の王子パラメスワラによって建国されたマラッカ王国は、香辛料貿易の要衝として繁栄し、東西貿易の中継拠点として名を馳せました。
1414年頃にはイスラム化し、ムスリム商人の拠点としてさらなる発展を遂げ、中国・明の鄭和艦隊も訪れるなど、明との同盟関係も築かれました。
16世紀に入ると、ヨーロッパ列強による支配が始まります。1511年、ポルトガルがマラッカを征服し、要塞「サンチャゴ砦」や教会を建設。東アジアへの布教を目指したフランシスコ・ザビエルもここを経由しました。
その後、1641年にはオランダ東インド会社がマラッカを占領し、旧オランダ総督邸「スタダイス」などを築き、オランダ文化の影響を残しました。
1824年にはイギリスの支配下に入り、海峡植民地の一部となりますが、シンガポールの台頭により港湾都市としての地位は次第に衰退しました。
このように、多様な国々の支配を経たマラッカは、東西の文化が交錯する独自の文化を形成しました
その歴史的価値は、2008年7月7日にペナン島のジョージタウンとともに「マラッカ海峡の歴史的都市群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されることで認められました。東アジアと東南アジアの中でも稀有な、独自の建築様式と文化的景観が高く評価されています。
マラッカの見どころを探訪!
マラッカには、その複雑な歴史を物語る見どころがたくさんあります。ここでは特におすすめのスポットをご紹介します。
オランダ広場周辺
オランダ広場周辺はその名の通り、オランダ統治時代の17~18世紀にかけての歴史的建物が美しく保存されている観光の中心地です
オランダ広場
マラッカの街の中心地に位置するシンボル的な広場です。

ピンクレッドのオランダ建築様式の建物が集まっており、フォトスポットとしても人気です。
最も人気のあるフォトスポット「I LOVE MELAKA」のモニュメントが「WORLD TOURISM DAY 2025」のモニュメントに変わっていました。
マラッカキリスト教会
1753年にオランダが統治100年を記念して建てられたプロテスタントの教会。このエリアのランドマークです。

高さ30mの天井の梁は建設当時のまま残っており、継ぎ目のない一本の木から造られているなど、高度な建築手法が見られます。
スタダイス
1650年代にオランダ人が建造した旧総督邸で、現在はマラッカの歴史・民俗博物館になっています。

マラッカ王国時代から独立までの様々な歴史資料が収められており、マラッカの歴史を深く学ぶことができます。
時計台とビクトリア女王噴水
オランダではなく、イギリス統治時代に建てられていますが、時計台とビクトリア女王噴水もお見逃しなく。


時計台は1886年に建立され、もともとの時計は英国製機械式でしたが、1982年改修の際、日本のセイコーが寄付したそうです。ヴィクトリア女王噴水は1901年に建てられました。夜には電飾でライトアップされます。
トライショー
マラッカ名物、サイドカー仕様の人力車「トライショー」。

派手な装飾で音楽を流して走り、賑わいを見せます。オランダ広場から観光名所を巡ってくれます。運賃は交渉制です。
セントポールの丘周辺
セントポールの丘周辺は、ポルトガル統治時代の遺構が残っています。
セントポール教会
ポルトガル時代に建てられた教会の跡地です。

豪華な教会そのものは残っていませんが、跡地には言葉で表しがたい神聖な雰囲気があり、一見の価値があります。

日本のキリスト教布教に大きく貢献したフランシスコ・ザビエルの像も建っています。

丘の上にあるため、マラッカの町並みを眺めることができます。
サンチャゴ砦 (ファモサ要塞跡)
1511年にオランダとの戦いに備えてポルトガル軍によって造られた砦です。ファモサ要塞跡とも呼ばれます。


19世紀にイギリスによって防壁が取り壊されたため、現在は石造りの門と大砲だけが残っています。西欧支配を物語る重要な遺構です。
チャイナタウン(旧市街)周辺
マラッカ川を挟んだ対岸にはチャイナタウンが広がります。
ジョンカー通り
チャイナタウンのメインストリートで、飲食店やお土産屋さんがたくさん並んでいます。


特に週末の夕方から夜にかけて開催されるナイトマーケットは、多くの観光客でにぎわいます。
ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館
マラッカの文化を語る上で欠かせないのがプラナカンです。プラナカンは主に15世紀後半からマレーシア周辺に移住してきた中華系移民と、現地のマレー系などの民族との混血の子孫を指す言葉で、特に地域土着の風習に適応し独自の文化を育んできました。男性はババ、女性はニョニャと呼ばれます。

プラナカン文化を知るうえで是非訪れていただきたいのが、「ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館」です。9世紀後半に建造されたプラナカンの邸宅をそのまま博物館として公開しており、華やかな調度品や当時の暮らしぶりを通じてプラナカン文化に触れることができます。
ジョンカー通りに近いヒーレン通り(別名「百万ドル長者通り」)沿いにあります。この通りには、プラナカン様式のかわいいブティックホテルも多いです。
チェン・フー・テン(青雲亭)寺院
1646年に建てられたマレーシア最古の中国寺院で、仏教、道教、儒教が一緒に祀られている珍しいお寺です。

明の永楽帝の命を受け大遠征を指揮した「鄭和」の功績をたたえて建てられたとも言われています。
カンポン・クリン・モスク
1868年にマラッカに住むインド人イスラム教徒らによって建立されたマレーシア最古のモスクの一つで、スマトラ様式を取り入れています。

青雲亭寺院やヒンドゥー寺院と同じ通りにあります。異なる宗教が共存しているため、地元ではハーモニーストリートと呼ばれています。多様な宗教建築が共存するマラッカらしさを感じられます。
ウォールアート
旧市街には多くのウォールアートがあります。

ウォールアートの多いエリアは、マラッカ川沿い、ジョンカーストリートとその周辺の路地裏です。

大規模で芸術的なアートから文化や歴史、日常生活、動物など多様なテーマが描かれていますので、マラッカ観光の際にはぜひチェックしてみてください
マラッカタワー
2008年にできた新しい名所です。

高さ110mの回転式展望タワーで、マラッカの美しい街並みやマラッカ海峡を一望できます。
マラッカの歩き方
マラッカの見どころは、主にオランダ広場を中心としたエリアと、マラッカ川を挟んだチャイナタウン周辺に分かれています。
これらのエリアは徒歩で回ることができますが、効率よく観光するなら、まずチャイナタウンでジョンカー通りなどを散策し、昼食にニョニャ料理などを堪能してから、オランダ広場周辺の見どころを回るのがおすすめです。
マラッカの有名なスポットだけならクアラルンプールからの日帰り観光も可能ですが、多くの博物館をじっくり見学したり、美しいマラッカ海峡の夕日を見たい場合は、マラッカに宿泊されることをおすすめします。
今回ご紹介したスポットを地図でまとめます。
まとめ
マレーシア最古の港湾都市マラッカは、マラッカ王国時代からポルトガル、オランダ、イギリスといったヨーロッパ列強の統治、そしてプラナカン文化が融合した、世界でも類を見ないユニークで魅力的な街です。
歴史的な建築物や多様な文化に触れることができるマラッカの街歩きは、きっと素晴らしい思い出になるはずです。ぜひ一度、風情あふれる古都マラッカを訪れてみてください。
コメント