こんばんは、オヤジです。
上海旅行で外せない観光スポットといえば、「外灘(ワイタン/バンド)」です。黄浦江(こうほこう)沿いに広がるこのエリアは、過去と現在が織りなす独特の魅力で訪れる人々を惹きつけてやみません。
今回の記事では、その歴史的背景から最新の見どころまで、外灘の全てを深掘りし、その魅力を余すことなくご紹介します。
外灘について
外灘(ワイタン/The Bund、バンド)は、中国・上海市黄浦区の黄浦江西岸に約1.5kmにわたり続く、歴史とモダンが交錯する魅力的なウォーターフロントです。
19世紀後半から20世紀前半の租界時代に築かれたこの地区には、ヨーロッパの建築様式を取り入れた荘厳な歴史的建造物が52棟立ち並び、かつては「東洋のウォール街」と呼ばれ金融の中心地として栄えました。ネオクラシック、アール・デコ、ゴシック・リバイバルなど、多彩な建築様式が織りなす景観は、上海が国際都市として歩んできた歴史を物語っています。
現在の外灘は、歴史的建築群と黄浦江対岸にそびえる近未来的な浦東新区の摩天楼群が見事に調和した、上海を代表する観光スポットです。特に夜間は両岸がライトアップされ、黄浦江に映る光の饗宴が訪れる人々を魅了し続けています。
ロケーションとアクセス
外灘は、黄浦区の黄浦江西岸に位置する約1.5キロメートルにわたるウオーターフロントです。アクセス方法は主に以下の通りです。
- 地下鉄:2号線または10号線の「南京東路駅」が最も便利です。豫園駅も利用可能です。南京東路駅から外灘までは徒歩約10分です。
- バス:中山東一路沿いの複数のバス停が利用できます。主に利用されるバス路線は123、55、126、576、127などで、「中山東一路」停留所が外灘近くです。
- タクシー/DiDi:外灘まで直接アクセスできますが、ラッシュ時は時間がかかることがあります。
- フェリー:外灘と浦東エリアを結ぶ複数のフェリー路線があります。
- 外灘観光トンネル:黄浦江の地下を通るケーブルカー型の自動運転車。光の演出が楽しめるユニークな移動手段です。片道50元で、約5分間のアトラクションのような体験ができます。

バスやタクシーは渋滞する可能性があるため、初めて訪れる場合は、分かりやすく時間に正確な地下鉄の利用をおすすめします。
外灘の見どころ
外灘は、歴史と現代が交錯する上海の象徴的な場所であり、多くの魅力的なスポットがあります。

遊歩道全体を歩くには、ゆっくりとしたペースで30~45分が目安ですが、写真を撮ったり見どころに立ち寄ったりすると1時間以上はみておいたほうが良いと思います。
歴史的建築群
約1.5kmのウォーターフロント沿いに、19世紀末から20世紀初頭の西洋建築が52棟立ち並びます。
旧江海関 (上海税関)
「旧江海関(上海税関)」は、1927年に建築された8階建ての建築物で、外灘のシンボル的な建物の一つとなっています。


江海関とは江蘇海関(税関)の意で、現在も中華人民共和国海関総署上海海関の事務所が入居しており、税関としての機能を継続しています。
旧江海関の時計塔は、外灘を代表するランドマークとして広く知られています。四面時計は直径5.3mでアジア最大級の規模を誇り、英国ウェストミンスター宮殿のビッグベンをモデルとして、イギリスのJBジョイス社が製作しました。
旧HSBCビル
「旧HSBCビル」は、1921年から1923年にかけて建設された6階建ての新古典主義様式の建築物です。


当時、当時「スエズからベーリング海峡までの地域で最も輝かしい建築物」と称され、建設費1000万元は外灘の全建築物の中で半分以上を占める破格の投資でした。
1955年まで香港上海銀行上海支店として使用され、その後は上海市議会を経て、1997年より上海浦東発展銀行が入居しています。玄関両脇の一対のライオン像は「慎重」「安全」と名づけられ、建物を象徴する存在となっています。
上海クラブビル
「上海クラブビル」は、3階建ての新古典主義様式の会館です。

1861年にイギリスによって建設され、1905年と1910年に再建を経て、現在の3階建て新古典主義様式となりました。
かつては「上海特派員クラブ」として機能し、2階の「ロングバー」は世界有数の長さを誇り、アメリカ大統領グラントも訪問した名所でした。
1971年から1998年まで「ホテル東風飯店」として営業し、1990年代にはケンタッキー・フライドチキンの上海一号店も入居するなど、時代とともに様々な用途で活用されてきた建物です。
フェアモント・ピース・ホテル(旧和平飯店)
「フェアモント・ピース・ホテル(旧和平飯店)」は、アールデコ様式の歴史的ホテルのひとつです。

この建物は、1928年にサッスーンハウスとしてサー・ヴィクター・サッスーンによって建てられました。10階建ての建物の外壁は幾何学模様のアールデコ様式で飾られ、ピラミッド型の緑色の尖り屋根が外灘のランドマークとなっています。
「和平飯店」は1956年に開業し、1965年から2010年まで営業 していましたが、2010年に5億元と3年の月日を費やした大改修を経て「フェアモント・ピース・ホテル」として生まれ変わりました。
近未来的な高層ビル群
浦東新区の陸家嘴金融貿易区には、上海を代表する超高層ビル群が立ち並んでいます。

最も有名なのが高さ632mで中国で最も高い超高層ビルである「上海中心大厦(上海タワー)」で、世界でも「ブルジュ・ハリファ」、「ムルデカ118」に次ぐ3番目の高さを誇ります。
その周りには仏塔をイメージした「金茂大厦(ジンマオタワー)」や101階建ての「上海ワールドフィナンシャルセンター」も並んでいます。

これらのビル群の中でも特に目を引くのが「東方明珠電視塔」で、高さ468メートル、11個の大きさの異なるボールを形よく直列に繋いだ独特のデザインで知られ、シンボル的なタワーとして知られています。
黄浦江と浦東地区の夜景
昼の外灘も魅力的ですが、夕刻からのライトアップされた景観は圧巻です。黄浦江を挟んで対岸の浦東新区の未来的な高層ビル群と、外灘側の歴史的な西洋建築群がライトアップされ、幻想的な光の競演を織り成します

夜の外灘遊歩道は観光客だけでなく、地元のカップルや家族連れにも人気のスポットで、とても混雑しています。

遊歩道から見る、黄浦江と対岸の近未来的な高層ビル群の夜景は上海の発展を象徴する景観です。水面に映る煌めく夜景がロマンチックな空間を演出します。


様々なメッセージが表示されますので、それらを眺めているだけでも飽きません。
外灘のライトアップは、夏季は19:00〜23:00、冬季は18:00〜22:00まで実施されています。
黄浦江クルーズ
外灘の黄浦江クルーズは、歴史的な外灘の建築群と近未来的な浦東の高層ビル群が織りなす新旧上海の絶景を船上から一度に満喫できる人気の観光アクティビティです。

十六鋪埠頭からの乗船が一般的で、所要時間は約45〜60分です。日中のクルーズと夜景を楽しめるナイトクルーズがあります。
黄浦江クルーズはkkdayやKlookなどのオンライン旅行会社で予約可能です。
まとめ
外灘の魅力は、アールデコなど重厚な歴史建築群が並ぶ租界時代の面影と、黄浦江を挟んでそびえ立つ近未来的な浦東の高層ビル群が織りなす、新旧が融合した景観にあります。
昼は散策しながら建築美を堪能し、夜は幻想的なライトアップを満喫できます。
過去と未来が交差するこの場所は、上海の歴史とダイナミックな発展を一度に体感できる、まさに上海の象徴です。
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