【北京観光】世界遺産・天壇の見どころ徹底ガイド|祈年殿・皇穹宇・圜丘壇を巡る旅

天壇 中国
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こんばんは、オヤジです。

北京を代表する世界遺産のひとつ「天壇(てんだん)」は、明・清代の皇帝が五穀豊穣や国家の安泰を祈るために儀式を行った場所であり、今もなお荘厳な雰囲気が色濃く残る、特別な空間です。

円形の祈年殿をはじめとする独特の建築様式、広大な敷地に広がる静寂、そして中国古来の宇宙観が随所に息づく天壇は、故宮や天安門とはまた違った魅力を持つ北京観光のハイライトとも言えます。

この記事では、天壇の歴史的背景、見どころ、そして観光時の注意点などをまとめてご紹介します。

天壇について

歴史的背景

「天壇」は、明の第3代永楽帝(在位:1402~1424年)が1420年に南京から北京に遷都した際、紫禁城とともに「天地壇」として建設されました。その後、16世紀の嘉靖帝(第9代皇帝)の時代になると、天と地を別々に祀る儀式が確立したため、天地壇は天壇と地壇に分けられました。

天壇は、地を治める皇帝が天を治める天帝から天命を授かる、神聖な場所であり、祭祀は1911年に禁止されるまで、約490年にわたり執り行われました。

天壇の総面積は約270万平方メートルにも及び、何と紫禁城の4倍を超える壮大なスケールを誇ります。

宇宙観と建築哲学

天壇の設計には、中国古来の宇宙論である「天円地方(天は丸く、地は方形)」という哲学思想が強く反映され、敷地の角は北側が円形(天を象徴)、南側が方形(大地を象徴)となっています。

主要な建築物は南北一直線の中軸線上に並び、特に天の祭祀に用いられた圜丘壇や祈年殿などは、天を象徴した円形を基調としています。また、皇帝が用いる最大の陽数である「9」とその倍数が、階段や欄干、石畳など随所に取り入れられている点も大きな特徴です。

世界遺産としての価値

天壇は「皇帝が天に祈る儀式空間」と「古代中国の宇宙観・礼制建築」を示す傑作として評価され、1998年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

さらに天壇は、2024年に登録された世界遺産「北京の中軸線:中国首都の理想的秩序を示す建造物群」の重要な構成資産の一部にも含まれています。

所在地とインフォメーション

所在地とアクセス

天壇は北京市の南部、東城区に位置しています。

天壇へのアクセスは地下鉄の利用がおすすめです。地下鉄5号線「天坛东门站(天壇東門駅)」(東門近く)か地下鉄8号線「天桥站(天橋駅)」(西門近く)の利用が便利です。いずれも徒歩数分でゲートまでアクセスできます。

その他、ちょっと距離がありますが、地下鉄7号線「桥湾站(橋湾駅)」(北門方面)も利用可能です。

私は故宮博物館からの移動でしたので、地下鉄8号線の天桥站を利用しました。

住所No. 7 Tiantan Road, Dongcheng District, Beijing 100061, China
電話番号+86 1067028866

開園時間と所要時間

天壇の現在の正式名称は「天坛公园(天壇公園)」で、公園自体は年中無休で開いていますが、主要な建物(祈年殿、皇穹宇、圜丘壇など)は月曜日が休館日です。

営業時間★ピークシーズン(4〜10月)
 公園:6:00~22:00(最終入園21:00)
 主要スポット:8:00~18:00(最終入場17:30)
★オフシーズン(11月〜3月)
 公園:6:30~22:00(最終入園21:00)
 主要スポット:8:00~17:00(最終入場16:30)
休館日公園:無休
主要スポット:月曜日(祝日を除く)
所要時間最低でも2時間、じっくり見る場合は3〜4時間必要です。

チケットの買い方

天壇のチケットは「入園チケット」と、主要な建物(祈年殿、皇穹宇、圜丘壇など)の見学が含まれる「コンボチケット」の2種類があります。

主要な建物のチケットは別途購入できますが、お得なコンボチケットの購入をおすすめします。

チケットの種類ピークシーズン(4〜10月)オフシーズン(11〜3月)
入園チケット15元10元
コンボチケット34元28元

チケットは、現地のチケット売り場や、WeChat公式アカウントを通して購入が可能です。

西門チケット売り場

現地ではゲートの近くにあるチケット売り場で購入可能です。

また、WeChatのミニプログラムで事前に購入可能です。天壇のミニプログラムは、中国の電話番号がなくてもパスポート番号を登録すれば購入可能です。

団体旅行客が南門を利用しますので、南門は非常に混雑します。他のゲートから入場することをおすすめします。

見どころ

入場ゲートでQRコードをかざし入園します。公園内は広大で非常に整備されています。

天壇公園内

私が訪れた時は天気が良かったので、公園内を歩いているだけでも非常に気持よく楽しめました。

天壇地図

天壇の主要な建築物は南北の中軸線上に並んでおり、古代の宇宙観や皇帝の権威が凝縮されています。見学ルートとしては、一度南門の方に向かい、南から北に向かって進むのがおすすめです。

地図を見ると、敷地の角が北は円形、南は方形になっているのが分かります。

以下、そのルートに沿って見どころを解説します。

棂星门(霊星門、れいせいもん)

南門から進むと最初に見えてくるのが、「霊星門」です。

ここから別チケットが必要です。コンボチケットの場合は、入場時に利用したQRコードをかざせばOKです。

霊星門は、古代の祭壇の壁に用いられた特殊な門の様式で、記念のアーチを思わせる白い大理石で彫刻されています。天壇円丘の内壁の内壁と外壁にはそれぞれ4組の門があり、各組には3つの門があります。

圜丘壇(えんきゅうだん)

内壁の霊星門を抜けると目の前には非常に印象的な形をした「圜丘壇」があります。

圜丘壇

圜丘壇は天壇の南端に位置し、皇帝が毎年冬至の日に天帝に対して天を祀り、一年の出来事を報告した最も神聖な祭壇です。

圜丘壇は下記の特徴があります。

  • 構造:白玉造りの3層の円形石壇で、建物はありません。
  • 数字の魔力:壇を構成する階段の段数や欄干の数、石畳の配置はすべて、陰陽思想で最大の陽数である「9」とその倍数になっており、天が9重であることを表しています。

天心石

「天心石」は石壇中央にある丸い石板で、天壇で最も神聖な場所とされています。

天心石

この石の上に立って声を出すと、周囲の欄干に反響して音が増幅され、天に届くようにこだまする不思議な現象が体験できます。天心石の周囲も9つの石で固められています。

皇穹宇(こうきゅうう)

圜丘壇を過ぎて北に進むと「皇穹宇」があります。

皇穹宇

皇穹宇は圜丘壇で祭祀が行われる際に壇上に置かれる天の神や、歴代の皇帝の位牌を安置しておく場所です。

回音壁

皇穹宇の庭園をぐるりと囲む高さ約3.72メートル、厚さ0.9メートルの円形の壁を回音壁と言います。

この壁は、古代建築の高度な技法「磨磚対縫(ませんたいほう)」で隙間なく組み上げられており、滑らかな円形の形によって、音が自然に曲がって伝わるしくみが生まれています。

一人旅ですので、試すことはできなかったのですが、壁に向かって小声でささやくと、対角線上の離れた場所にいる人にも、その声がはっきり届くそうです。

三音石

三音石は皇穹宇の南側にある三枚の石板で、北から1番目の石、2番目の石、3番目の石といいます。それぞれの石の上で手を叩くと反射音が1回、2回、3回と異なる回数で返ってきます。

これは音が回音壁に屈折反射して起こる現象だそうです。

三音石

肝心の3つの石板の写真は取り忘れてしまいました……。

祈年殿(きねんでん)

「成貞門(せいしんもん)」をくぐり、「丹陛橋(たんぺいきょう)」を進むと、祈年殿が見えてきます。

丹陛橋は、長さ360メートル、幅30メートルの通路で、中に神道、東に御道、西に王道という三つの石敷道があります。

祈年殿に入るためには、再度チケットのチェックがあります。祈年殿の入場チェック後はQRコードに「Used」という文字が表示されます。

祈年門

祈年門を通り、いよいよ祈年殿とご対面です。

祈年殿

特徴的なフォルムの祈年殿は天安門や紫禁城とともに北京のシンボル的な存在とされる、天壇で最も有名な建造物であり、中国最大の祭壇です。

祈年殿の特徴をまとめます。

  • 機能:毎年の初めに皇帝が国家の安泰と五穀豊穣を天に祈った、祈りの聖地です。
  • 構造:大理石の基壇と、天の青さを写し取ったような「瑠璃瓦(るりがわら)」のコントラストが圧巻です。高さ38m、直径32mを誇るこの円形殿堂は、中国に現存する最大の祭壇建築であり、その威容は東アジア建築の最高傑作と称されています。
  • 建築技術:驚くべきは、この巨大な木造建築が「釘を一本も使わず」に建てられている点です。内部を支える柱の配置には深い意味があり、内側の4本は「四季」、その外側の二重の12本の柱はそれぞれ「12ヶ月」と「1日の時間(十二刻)」を表しています。すべて合わせると28本になり、天空の星座(二十八宿)を表すという、緻密な宇宙観がこの建物の中に凝縮されています。

祈年殿の両翼に建造物がありますが、そのうち東側の建物は「祈念大展」という博物館として使われ、天壇にまつわる展示物を公開しています。

個人的には、祭祀殿の歴史が興味深かったです。黄帝の時代のものが祈年殿の原型なんですね。これは想像のものでしょうか?右は690年大周帝国とありますので、中国史上唯一の女帝・則天武后の時代ですね。フォルムが祈年殿と似ています。

皇乾殿

祈年殿の北には、「皇乾殿(こうかんでん)」があります。ここは、皇帝が豊作を祈る大祭で祀る「皇天上帝」と歴代皇帝の祖先の位牌を普段安置していた、言わば「神々の控えの間」です。

青い瑠璃瓦の寄棟造(よせむねづくり)が特徴で、祭祀の前日には皇帝が線香を上げ、神札を祈年殿へ運ぶ儀式が行われたそうです。

注意点

天壇訪問の際には、以下の点に注意しましょう。

  • 10時〜15時は団体ツアー客などで非常に混雑します。
  • 天壇の敷地は広大なため、スニーカーなどの歩きやすい靴は必須です。
  • 一部の建物以外は日陰となる部分が少ないため、夏場は帽子や飲み物で熱中症対策を。また、冬は寒さ対策が必要です。
  • 天壇は皇帝が天に祈りを捧げた神聖な場所であるため、大声で話したり騒いだりせず、静粛に見学しましょう。
  • 建築物や石碑に触れたり、上に座ったりすることは厳禁です。

まとめ

天壇は、明・清代の皇帝による天の祭祀という壮大な歴史と、古代中国の宇宙観「天円地方」を具現化した世界最大の祭祀建築群です。

青空に映える荘厳な祈年殿の姿、そして皇帝が天に通じたとされる圜丘壇の天心石や、古代の音響技術が光る回音壁といったユニークなスポットは、他では味わえない特別な体験を味わえます。

天壇は壮大なスケールと深い文化・歴史を感じることができる、北京旅行でぜひ訪れていただきたいスポットです。

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