こんばんは。オヤジです。
キャッシュレス決済が急速に普及している中国において、WeChat Pay(微信支付)は、Alipay(支付宝)と並ぶ二大巨頭として日常生活に欠かせない存在となっています。
本記事では、旅行者として必要な情報に絞り、WeChat Payの概要から登録方法、使い方、そしてAlipayとの比較までを徹底的に解説します。
WeChat Payとは?その概要と人気の理由
WeChat Payは、中国で圧倒的な人気を誇るメッセージングアプリ「WeChat(微信)」内で提供される、Alipayと並ぶモバイル決済サービスです。
Tencent(騰訊)によって開発されたこのサービスは、スマートフォンを通じてオンラインとオフラインの両方で支払いを可能にします。ユーザーはWeChatアプリ内の「ウォレット」機能を通じて、クレジットカードと連携し、QRコードをスキャンするだけで、迅速かつ安全に決済できます。
近年では、国際ブランドのクレジットカードやデビットカードを紐づけして利用できるようになり、外国人旅行者やビジネスパーソンにとっても非常に便利なツールとなっています。
WeChat(微信)アカウントの登録方法
WeChat Payを利用するためには、まずWeChatアプリのアカウント登録が必要です。日本語版も用意されているため、中国語が分からなくてもスムーズに登録できます。
アプリのインストール
下記よりアプリをインストールしてください。
登録手順

- アプリを立ち上げると、「ログイン」と「登録」が選べますので、「登録」をタップします。
- 携帯電話番号かAppleやFacebookのアカウントを利用して登録できますが、ここでは「携帯電話で登録」を選びます。
- 情報の入力画面が表示されますので、
- 氏名: WeChatで表示される名前を入力します(後から変更可能)。
- 地域: 「Japan」を選択します。
- 電話: 携帯電話番号を入力します。日本の電話番号の場合は、国番号は「+81」で、最初の「0」を省略して入力します(例:090-XXXX-XXXX → 90XXXXXXXX)。
- パスワード: 任意のパスワードを設定します(ログイン時に使用)
- 利用規約の同意にチェックを入れると「同意して実行」がアクティブになりますので、タップします。

- プライバシポリシーが表示されますので、「私はすでにプライバシーポリシーを読み、承認しました」にチェックを入れ、「次へ」をタップします。
- セキュリティ認証の画面が表示されますので、「開始」をタップします。
- 画像認証が表示されますので、条件に合う画像を選択し、「OK」をタップします。

- 携帯電話に確認コードが送られてきますので、入力し「送信」ボタンをタップします。
- 「WeChatに必要な同意」ページが表示されますので、確認の上一番下の「次へ」ボタンをタップします。
- 「WECHAT - サービス規約」ページが表示されますので、内容を確認し、「私はすでに上記の内容を読んで理解しました」にチェックを入れ「次へ」ボタンをタップします。
- 「WECHATプライバシーポリシー」が再度表示されますので、「私はすでにプライバシーポリシーを読み、承認しました」にチェックを入れ、「完了」ボタンをタップします。

- Weixinサービスを有効にするページが表示されますので、「同意して有効にする」をタップします。
- 有効にするサービスを選択し、「完了」をタップします。後で変更することもできますので、選択はデフォルトのままでOKです。
- 「サービスが有効になっています」というメッセージが表示され、アカウントの登録は完了です。
登録時の注意点
- 日本で事前に登録: 中国に到着後、日本の電話番号でSMS認証が届きにくくなる可能性があるため、中国渡航前に日本で登録を済ませておくことを強く推奨します。
- 1電話番号につき1アカウント: WeChatは1つの電話番号につき1つのアカウントしか作成できません。
WeChat Pay(微信支付)の登録方法
登録手順
WeChatアカウントの登録が完了したら、次はWeChat Payの登録を行います。
WeChat Payの登録画面は、言語を日本語にしていても、表示の大部分は英語になります。

- 下部メニューの「チャット」をタップし、右上の「⊕」をタップするとサブメニューが表示されますので、「マネー」をタップします。
- 「Payment User Service Agreement」を確認し、チェックを入れ、「今すぐ有効にする」をタップします。
- この機能を使う前にクレジットカードを追加してください、というメッセージが表示されますので、「Add a Card」をタップします。

- クレジットカード番号を入力します。カメラのアイコンをタップすることにより、クレジットカードを読み取り、カード番号を自動入力することも可能です。「Card Type」はVISAやMasterなどカードブランドですが、カード番号を入れると自動的に表示されます。入力が完了しましたら、「Next」をタップします。
- 「Bank Card」となっていますが、クレジットカードのことです。
- 「Valid Date」を月/年の順番で入力します。iPhoneの場合、選択できるようになっています。「CVV Code」にはカード裏面に記載されているセキュリティコードを入力し、「Next」をタップします。
- 「WeChat Payment System User Service Agreement and Privacy Policy」への同意を求められますので、確認の上、「Agree」をタップします。

- 6桁のパスワードが求められますので、確認を含め2度入力します。
- このパスワードは支払いの際に入力する必要がありますので、忘れないようにしてください。
- 「Added」という画面が表示されましたら、 WeChat Payの設定は完了です。
クレジットカードの追加方法
WeChat Payは突然決済がエラーになることがあります。そのような場合、クレジットカードを変更することにより決済できるケースがありますので、複数枚のカードを登録しておくことをおすすめします。
カードの追加方法は下記のとおりです。

- 下部メニューの「自分」をタップ→「支払いとサービス」をタップする。
- 「ウォレット」をタップする。
- 「Bank Cards」をタップする。
- 登録済みのカードの下に「Add a Bank Card」が表示されるので、タップしカードを追加する。(写真なし)
登録時の注意点
- 国際ブランドのクレジットカード: VISA、Mastercard、JCBなど、多くの国際ブランドのクレジットカードが登録可能です。
- 人民元での利用制限: クレジットカード経由での支払いの場合、支払い金額に上限(15,000元)が設定されています。上限を引き上げるためには、パスポートなどの身分証明書の登録が必要になります。
- 日本国内での決済: 日本人アカウントのWeChat Payは中国国内でのみ使用可能です。日本国内はもちろん、香港やマカオでも利用することができません。
- 機能の制限: 国際クレジットカードを登録している場合、送金など一部のサービスが利用できないことがあります।
WeChat Payの実際の使い方
WeChat Payの実際の使い方ですが、日本のQRコード決済とほぼ同様です。
QRコードを表示しスキャンしてもらう

- 登録時と同様に、下部メニューの「チャット」→右上の「⊕」→「マネー」の順にタップします。
- コードを他人に送らないよう警告メッセージが出ますので、「OK」をタップします。
- QRコードが表示されますので、お店のスタッフに読み取ってもらいます。
- パスワードを入力する画面が表示されますので、WeChat Payのセットアップ時に登録した数字6桁のパスワードを入力すると支払い完了です。
QRコードをスキャンし金額を入力する
お店によってはQRコードをスキャンし、金額を入力するタイプを採用していることもあります。
WeChat Payはオンラインショッピングでも利用できます。北京のホテルを予約する際に、クレジットカードは対応しておらず、WeChat PayとAlipayが対応していましたので、WeChat Payを利用しました。
支払い時の注意点
- 支払いパスワード: 支払い時には、登録時に設定した6桁のパスワードの入力が必要となります。iPhoneの場合、Touch IDやFace IDでの認証を設定している場合は、それらを利用することも可能です。
- 取引手数料: WeChat Payの利用自体は無料ですが、国際クレジットカード手数料として、200元以上の取引には3%手数料が発生します。また、カード会社から為替手数料や海外事務手数料が請求されることがあります。
- Alipayも同様で、200元以上の取引には3%の手数料がかかります。
- 利用限度額: 本人認証をしていない場合、限度額が設定されています。
WeChat PayとAlipayの比較
中国の二大モバイル決済サービスであるWeChat PayとAlipay(支付宝)は、中国国内ではどちらも多くの店舗・サービスで利用することができます。
項目 | WeChat Pay | Alipay |
---|---|---|
主な機能 | 決済、送金、SNS機能(WeChatアプリ内)、公共料金支払い、ミニプログラム | 決済、送金、投資、保険、公共料金支払い、様々な生活サービス(タクシー、フードデリバリーなど) |
運営会社 | Tencent(騰訊) | Alibaba Group(阿里巴巴集団) |
アプリ基盤 | メッセージングアプリ「WeChat」 | 独立した決済アプリ |
ユーザー層 | WeChatユーザーに強く結びついている | Eコマースプラットフォーム「Alibaba」のユーザーに強く結びついている |
海外での利用 | 72の国と地域で利用可能 | 広範囲の国と地域で利用可能 |
特徴 | チャット機能との連携、手軽な送金機能 | 豊富な金融関連サービス、多様な生活サービスとの連携 |
どちらか一方だけが使える店舗もあれば、両方に対応している店舗も多くあります。
両支払方法とも、突然エラーになることが稀にありますので、中国渡航の際には、念のため両方のアプリを登録しておくことを推奨します。
まとめ
WeChat Payは、中国におけるキャッシュレス決済の重要な柱であり、その利便性と多機能性により、多くの人々に利用されています。近年では、国際クレジットカードとの連携も可能になり、外国人旅行者にとっても必須のツールとなりつつあります。
本記事で解説した登録方法や使い方を参考に、ぜひWeChat Payを活用して、よりスムーズで快適な中国での滞在を実現してください。
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