ホーチミン観光で訪れたい！ベトナムの歴史を感じる3つの博物館

こんばんは、オヤジです。

観光やグルメが楽しいホーチミンですが、実は博物館も見どころのひとつです。街の中心部には、歴史や建築、そして平和の大切さを伝える施設がいくつもあり、街の背景を知ることで旅がぐっと深まります。

この記事では、実際に私が訪れた、ホーチミン旅行でぜひ立ち寄りたい主要な3つの博物館を詳しくご紹介します。

ホーチミン市歴史博物館

概要

ホーチミン市歴史博物館（The History Museum of Ho Chi Minh City）は、ベトナムという国の成り立ちや変遷を学ぶことができる博物館です。

この博物館では、先史時代から近代までの時代の移り変わりが、模型やパネル、出土品などによって分かりやすく展示されています。

多くのベトナムの博物館が戦争や政治に焦点を当てている中、この博物館はそれらの展示を控えめにし、純粋に歴史を淡々と伝える内容が中心です。

少数民族や歴代の王朝など、ベトナムという国を深く知るには非常に充実した内容を提供しており、ベトナムの発展を支えた風俗、文化、民族を知りたい方におすすめです。

主な展示内容

この博物館の大きな見どころの一つは、かつてベトナム中部から中南部に栄えたチャンパ王国の遺産が展示されている点です。

チャンパ王国はベトナムでは稀なヒンドゥー教シヴァ派の宗教であり、神話でおなじみのガルーダ、ガネーシャ、シヴァなどの像をはじめ、多くのチャム彫刻を見ることができます。

また、この建物は、かつての君主国フランスの建築家によりデザインされた、美しく歴史あるユニークなコロニアル様式の建造物です。

その美しさから、ウェディングフォトや若者同士で記念写真を撮るベトナム人も多い人気のスポットとなっています。

基本データ

ベトナム戦争証跡博物館

概要

ベトナム戦争証跡博物館（War Remnants Museum）は、ベトナム戦争の実態を伝えるために設立された代表的な歴史博物館であり、ベトナム国内でもっとも訪問者数の多い文化施設の一つです。

この博物館は、1975年9月4日にベトナム戦争での被害と平和への願いを発信する目的で設立されました。現在までに国内外から1,700万人以上が訪れており、その意義と影響の大きさから、トリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス2024」で、アジアの“訪れる価値のある博物館”トップ10の第1位に選ばれています。

戦争証跡博物館は、観光名所であると同時に、戦争の記憶と平和の尊さを直視できる貴重な場所として位置づけられています。

主な展示内容

博物館は戦争の残酷な現実を包み隠さず提示し、多角的な視点から「証跡」をたどる展示構成となっています。その根底に流れるのは、「戦争の悲惨さを記憶し、二度と繰り返さない」という明確なメッセージです。

屋外エリア

ヘリコプター、戦闘機、戦車などの軍用車両や兵器の印象的な実物展示があります。これらの遺物は、博物館の平和な環境との際立った対比を提供しています。

1階「世界はベトナムの対米抵抗を支援」

ベトナムが戦争中に受けた国際的な支援に焦点を当て、新聞記事、手紙、写真、抗議ポスターなどを通して、世界が紛争にどう反応したかが展示されています。

2階「アメリカ軍兵士による戦争犯罪」

ミライ虐殺などの出来事に光を当てる衝撃的な写真 や、生存者の証言、歴史的文書が展示されています。このフロアは、戦争の悲惨さを包み隠さず伝える、最も心を揺さぶる展示エリアです。

3階「戦争の壊滅的な結果」

化学戦、特に米軍が使用した強力な除草剤であるエージェントオレンジ（枯葉剤）の長期的影響 に焦点を当てています。深刻な先天性欠損症や長期的な健康被害に苦しむ人々の写真や証言が展示されています。

訪問時の注意点

この博物館には、空爆や戦闘に巻き込まれた市民や兵士の写真、枯葉剤被害者の写真など、目を背けたくなるような生々しい内容の展示が含まれるため、訪問時には心の準備が必要です。

また、歴史的記念施設として、敬意を示すために節度ある服装での訪問が推奨されています。

基本データ

ホーチミン市博物館

概要

ホーチミン市博物館（Museum of Ho Chi Minh City）は、ホーチミン市の豊かな歴史、文化、そして革命的遺産を保存し展示している施設です。

ホーチミン市1区の中心部に位置し、統一会堂、ベンタイン市場、サイゴン中央郵便局などの人気ランドマークから徒歩で簡単にアクセスできます。

その壮麗な建築美も、この博物館の大きな魅力のひとつです。この建物はフランス人建築家のアルフレッド・フォールハウクスによって1885年から1890年にかけて建設されたネオクラシック（新古典主義）様式です。もともとは商業博物館として建てられる予定でしたが、完成後はフランス領コーチシナ総督の宮殿として利用されるなど、激動の歴史の中で何度も所有者が変わりました。

建物のエレガントなファサードは柱と装飾で飾られており、優雅な対称性と繊細な装飾が目を引く建築です。現在では、その美しさから結婚写真の撮影スポットとしても人気です。

主な展示内容

展示は9つのテーマゾーンで構成され、サイゴン時代から現代のホーチミン市に至るまでの変遷を、多角的な視点から紹介しています。

館内では、市の形成史を辿りながら、メコンデルタの交易拠点として栄えた商業都市の発展過程を学ぶことができます。商業と文化の展示エリアでは、東西交易の要衝として栄えた当時の様子が、貿易品や歴史的文書を通じて生き生きと伝わります。

民族文化のセクションでは、多様な民族が共存するこの地域特有の文化的多様性に触れることができます。

特に注目すべきは、独立戦争から南北統一に至る激動の時代を記録した展示です。ベトナム現代史の重要な転換点となった出来事が、写真や遺品、当時の資料とともに詳細に紹介されており、ベトナムという国が歩んできた道のりを深く理解することができます。

屋外にはベトナム戦争証跡博物館ほどではありませんが、ベトナム戦争時に実際に使用された戦闘機や軍用車両、各種兵器が配置されています。

基本データ一覧

まとめ

ご紹介した3つの博物館は、それぞれ異なる視点からベトナムの歴史と文化を浮き彫りにしています。悠久の歴史、近現代の戦禍と復興の軌跡に触れることで、ベトナムという国への理解が一層深まることでしょう。
ホーチミンでより充実した旅を楽しむためにも、ぜひこれらの博物館を訪れてみてください。

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2019.09.02