こんばんは、オヤジです。
インド南部の中心都市チェンナイには、ヒンドゥー教の極彩色豊かな寺院だけでなく、ハッとするほど美しい白亜の大聖堂があることをご存じでしょうか。それが、今回ご紹介する「サントメ大聖堂」です。
「インドの教会ってどんな感じ?」「歴史的な背景は?」と疑問に思っている方も多いはず。この記事では、キリストの弟子が眠るとされるこの聖堂の見どころや、実際に訪れる際のポイントを詳しく解説します。
使徒トマスが眠るサントメ大聖堂とは
チェンナイのマイラポール地区、ベンガル湾を望む海岸沿いに建つサントメ大聖堂は、世界に3か所しかない非常に特別な場所です。
何が特別かというと、イエス・キリストの12使徒の一人である聖トマス(使徒トマス)の墓所の上に建てられた教会だからです。
トマスはポルトガル語ではトメ。サントメとは「聖トマス」のことです。
使徒の墓の上に建つ教会は、ローマのサン・ピエトロ大聖堂、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂、そしてこのチェンナイのサントメ大聖堂だけといわれています。
もともとは16世紀にポルトガル人によって建設されましたが、19世紀末のイギリス統治時代に現在のネオゴシック様式へと再建されました。
ネオゴシック様式とは「中世ゴシックを近代に復活させ、ロマン主義的精神や民族的アイデンティティを込めた建築様式」であり、尖頭アーチや豊かな垂直性・装飾性を特徴とするスタイルです。
サントメ大聖堂の必見ポイント
聖堂内は静寂に包まれ、インドの喧騒を忘れさせてくれる穏やかな空気が流れています。訪れた際に絶対に見逃せないポイントをまとめました。
美しいネオゴシック様式の建築
高さ約56メートルを誇る白亜の尖塔は、1894年に増築されたもので、大聖堂の象徴的な存在となっています。空へとまっすぐ伸びるその姿は遠くからでもひときわ目を引き、訪れる人に強い印象を残します。

鋭いアーチ型の窓や繊細な装飾が随所に施されており、ゴシック様式ならではの優雅さと荘厳さを感じさせます。

白い外壁は、装飾が生み出す陰影や青い空との対比によって一層際立ち、時間帯や光の当たり方によってさまざまな表情を見せてくれます。
大聖堂を訪れた際には、ぜひ少し離れた場所から全体を見上げ、その壮麗なシルエットをじっくりと味わってみてください。
聖トマスの遺骨が納められた「地下聖堂」
最大の見どころは、、祭壇の下にある地下聖堂です。

ここには聖トマスの遺骨の一部が納められています。
聖トマスは、復活したイエスの傷口に指を差し込むまで信じなかったという「疑い深いトマス」のエピソードで知られていますが、地下聖堂のステンドグラスにはその劇的なシーンが描かれています。
聖堂併設の博物館
聖トマスの遺骨が納められている建物には、小さな博物館が併設されています。


そこには、聖トマスの生涯や教会の歴史に関する展示があります。特に、聖トマスの命を奪ったとされる「槍の先」や、古い石碑などは必見です。
ベンガル湾
サントメ大聖堂の裏側には、静かに広がるベンガル湾の景色が待っています。

荘厳な聖堂の雰囲気とは一転し、海風を感じられる開放的な空間がすぐ近くにあるのがこの場所の魅力です。裏口から外に出て徒歩数分歩くだけで海辺にたどり着き、視界いっぱいに広がる水平線や、穏やかに打ち寄せる波の音を楽しむことができます。
サントメ大聖堂を訪れた際は、ぜひ裏手まで歩いて、ベンガル湾の風景もあわせて楽しんでみてください。
ミサを体験
私が訪問した日はちょうど日曜日で、ミサが始まる直前のタイミングでした。堂内には地元の信者の方々が静かに集まり、祈りの時間を迎えようとする厳かな空気が流れていました。

観光客らしき人の姿も見られたため、私もそのまま席に座り、ミサの様子を体験してみることにしました。聖歌や祈りが淡々と進んでいく流れは、日本や他の国で行われているカトリックのミサと大きく変わるものではなく、インドだからといって特別に異なる点は感じませんでした。
信者の方はチェンナイ在住の外国人が多いのかと思いきや、90%ほどがインド人でした。
観光時の注意点
入場料は無料で、観光客でも地元の人でも誰でも自由に入ることができます。
歴史ある大聖堂を気軽に訪れられるのは魅力ですが、あくまで信者の方々が祈りを捧げる神聖な場所であることは忘れないでください。
肩や膝が大きく露出する服装は避け、落ち着いた控えめな服装を心がけるのが基本的なマナーです。
基本情報とアクセス
チェンナイ中心部からは、車やオートリクシャーで約20分ほどです。チェンナイの必見スポットであるカパレーシュワラ寺院から近いため、あわせて訪れるとスムーズです。
- 基本情報
- 地図
| 住所 | 38, Santhome High Rd, Santhome, Mylapore, Chennai, Tamil Nadu 600004 |
| 電話番号 | +914424985455 |
| WEBサイト | https://www.santhomechurch.org/ |
| 拝観時間 | 5:00〜20:00(曜日や宗教行事により変動) |
| 休館日 | なし(宗教行事により入場制限が行われる場合あり) |
まとめ
チェンナイのサントメ大聖堂は、単に美しい建築として眺めるだけでなく、長い歴史と信仰が今も息づく、特別な場所です。静かな祈りの空間に身を置くことで、この地に根付いてきた人々の思いや時間の積み重ねを感じることができます。
インドといえばヒンドゥー寺院やモスクの印象が強かった私にとって、海辺に佇む白亜の大聖堂の存在は新鮮な驚きでした。同時に、多様な宗教や文化が共存するインドらしさを象徴する場所だとも実感しました。
チェンナイを訪れる機会があれば、ぜひサントメ大聖堂に足を運び、その空間や雰囲気を通して、インドの奥深い多様性に触れてみてください。


コメント