広州の南越王博物院を徹底解説|王墓展区・王宮展区の見どころと行き方

南越王博物院
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こんばんは、オヤジです。

広州には、中国南部からベトナム北中部までを支配した南越国の歴史を知ることができる「南越王博物院」があります。

南越王博物院について調べていると、「王墓展区」と「王宮展区」という2つの名前が出てくるため、「同じ博物館なの?」「どちらに行けばいいの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

実は、この2つはもともと「西漢南越王博物館」と「南越王宮博物館」という別々の博物館でした。2021年に統合されて現在の南越王博物院となりました。

この記事では、南越王博物院の歴史を簡単に紹介したうえで、王墓展区と王宮展区それぞれへの行き方や見どころ、入場料、観光に必要な時間などを紹介します。

南越王博物院とは?王墓展区と王宮展区の2か所に分かれている

南越王博物院は、紀元前203年ごろに成立した南越国の歴史や文化を紹介する博物館です。

南越国は秦の将軍だった趙佗(ちょうだ)が現在の広東省や広西チワン族自治区を中心とした地域に築いた国で、都は現在の広州にあたる番禺(ばんぐう)に置かれました。

コラム:南越国とベトナムの関係

ベトナムの国名「越南(ベトナム)」には、実は南越国との意外なつながりがあります。19世紀初頭、ベトナム・阮朝の初代皇帝・嘉隆帝は清に対して国名を「南越」とすることを求めました。しかし南越は、かつて現在の広東省や広西チワン族自治区まで支配した南越国を連想させるため、清はこれを認めませんでした。そこで文字の順番を入れ替えた「越南」が国名として採用されたとされています。つまり、現在のベトナムという国名の背景にも、この南越国の存在が関わっているのです。

もともとは別々の2つの博物館だった

現在の南越王博物院には「王墓展区」と「王宮展区」がありますが、最初から2つで1つの博物館だったわけではありません。

王墓展区の前身である「西漢南越王博物館」が誕生するきっかけとなったのは、1983年に発見された南越国第2代王・趙眜(ちょうばつ)の墓です。

墓からは「文帝行璽(ぶんていこうじ)」と刻まれた金印や「絲縷玉衣(しるぎょくい)」など1000点を超える副葬品が発見され、この大発見を受けて1988年に「西漢南越王博物館」が開館しました。現在の王墓展区です。

中国では、前漢を「西漢」と呼びます。

一方、現在の王宮展区では1995年に南越国時代の大型石造池、1997年には「曲流石渠(きょくりゅうせっきょ)」と呼ばれる庭園施設が発見されました。その後、遺跡の整備が進められ、2014年に「南越王宮博物館」として全面公開されました。

そして2021年9月8日、西漢南越王博物館と南越王宮博物館が統合され、現在の「南越王博物院」が誕生しました。

ただし、博物館の建物自体が一つになったわけではありません。

現在も、以下のように、それぞれ別の場所で公開されています。

  • 旧・西漢南越王博物館 → 王墓展区
  • 旧・南越王宮博物館 → 王宮展区

古いガイドブックやWebサイト、Googleマップでは旧名称が使われている場合がありますが、現在はいずれも南越王博物院の一部です。

王墓展区と王宮展区はどちらに行く?

2つの展区では、見られるものが大きく異なります。

王墓展区王宮展区
旧名称西漢南越王博物館南越王宮博物館
主な見どころ南越文王墓・出土品王宮・宮苑遺跡
最寄り駅越秀公園駅公園前駅
入場料10元無料
特徴王墓と副葬品を見る王宮跡そのものを見る

初めて訪れるのであれば、個人的にはまず王墓展区をおすすめします。

実際の王墓に加え、金印や玉衣など南越国を代表する出土品がまとまっており、南越国について詳しく知らなくても楽しむことができるからです。

時間に余裕があれば王宮展区も合わせて訪れることで、南越王が「埋葬された場所」と「暮らしていた都市」の両方を見ることができます。

南越王博物院の入場料・営業時間

2026年9月時点の通常営業時間は以下のとおりです。

王墓展区王宮展区
営業時間9:00〜17:309:00〜17:30
最終入場17:0017:00
休館日月曜日月曜日
入場料10元無料
最寄り駅越秀公園駅公園前駅

月曜日は原則休館ですが、中国の法定祝日にあたる場合は開館することがあります。

王墓展区は公式WeChatかTrip.comからチケットの予約・購入ができるほか、現地で入場口付近にあるQRコードを読み取り、チケットを購入することができます。

王宮展区は無料ですが、WeChatの公式ミニアプリかTrip.comからの事前予約が必要です。

私たちは事前予約が必要であることを知らず、直接訪問しましたが、入口にあるQRコードからその場で予約・入場することができました。

予約方法などは変更される可能性がありますので、訪問前に南越王博物院の公式サイトや公式WeChatで最新情報を確認してください。

王墓展区への行き方

王墓展区は広州市越秀区にあります。最寄り駅は広州地下鉄2号線の「越秀公園駅」で、E出口が便利です。

越秀公園の南側に位置しているため、南越王博物院と越秀公園を組み合わせて観光するのもおすすめです。

  • 連絡先
  • 地図
住所(英語)No. 867, Jiefang North Road, Yuexiu District, Guangzhou
住所(中国語)広東省広州市越秀区解放北路867号
電話番号+862036182920
WEBサイトhttps://www.nywmuseum.org.cn/En/News/About

王墓展区の見どころ

南越文王墓

王墓展区最大の見どころが、1983年に発見された南越文王墓です。

墓の主は南越国第2代王の趙眜です。墓室から発見された「文帝行璽」などの印章によって墓の主が特定されました。

墓は象崗山の地下約20mに造られ、前室、東耳室、西耳室、主棺室など、計7つの墓室から構成されています。

南越王の墓が別の場所から移設されたのではなく、発見された場所そのものが保存されているのが大きな特徴です。

墓室下層は別途予約が必要

王墓展区を訪れる際に注意したいのが、南越文王墓の墓室下層です。

王墓展区の通常入場券だけでは墓室下層には入ることができません。

予約は前日の9時から「南越王博物院」の公式WeChatかTrip.comで可能です。

私は別途予約が必要なことを知らず、見学できませんでした。

墓室内部まで見学したい方は、王墓展区の入場券だけではなく、墓室下層の予約も忘れずにしてください。

絲縷玉衣

王墓展区を代表する展示のひとつが絲縷玉衣です。南越文王墓からは2,291枚の玉片を使った玉衣が出土しました。

玉衣とは、多数の玉片をつなぎ合わせて遺体を包むために作られた衣装のことです。南越文王墓からは、玉片を絹糸でつないだ非常に珍しい玉衣が発見されました。

展示を見ると、白っぽい小さな板状のものが玉片で、赤い糸がそれらを結び合わせていることが分かります。

細かく加工された玉片を一枚ずつつなぎ合わせた姿からは、2000年以上前の王の権力や当時の埋葬文化を感じることができます。

公式サイトによると、現在確認されている中で形が完全に残る唯一の絲縷玉衣とされています。

なお、上の写真の王墓展区の展示室で見られる絲縷玉衣はレプリカです。出土した玉衣は、腐朽した絹糸や布を補いながら約3年をかけて修復されています。

文帝行璽の金印

もう一つ見逃せないのが、文帝行璽と刻まれた金印です。

この印章は墓主の胸腹部付近から発見され、墓の主が南越国第2代王・趙眜であることを裏付ける重要な証拠となりました。

墓からはこのほかにも、玉器や青銅器、武器、生活用品など数多くの副葬品が出土しています。

単に美しい出土品を見るだけでなく、当時の南越国がどのような文化を持っていたのかを知ることができるのも王墓展区の魅力です。

王宮展区への行き方

王宮展区は、広州市中心部の北京路近くにあります。

最寄り駅は地下鉄1号線・2号線の「公園前駅」で、F出口から向かいます。

現在の入口は中山四路316号にある東門です。一方、見学後は北京路374号にある西門から退出するため、Webサイトによって住所が異なる場合があります。

北京路歩行街からも近く、広州中心部の観光と組み合わせやすい立地です。

  • 連絡先
  • 地図
住所(英語)316 Zhongshansi Rd, Yuexiu District, Guangzhou
住所(中国語)広東省広州市越秀区中山四路316号
電話番号+862083896543
WEBサイトhttps://www.nywmuseum.org.cn/En/News/About

王宮展区の見どころ

南越国宮署遺跡

王宮展区は、王墓展区とはかなり雰囲気が異なります。

王墓展区が墓から出土した文物を中心に見る博物館なのに対し、王宮展区は約2000年前の南越国の王宮跡そのものを見る遺跡博物館です。

現在の広州中心部に、南越国の政治の中心となった場所がそのまま残されていることを考えると、なかなか興味深い場所です。

南越国の宮苑遺跡

王宮展区で特に注目したいのが、王宮に造られた庭園の遺構です。

1995年に大型の石造池、1997年には水を流すために造られた曲流石渠が発見されました。

特に曲流石渠を含む宮苑遺跡は、現在確認されている中でも年代が古く、保存状態の良い秦漢時代の王家の庭園の例とされています。

2000年以上前の王宮に池や水路を備えた庭園が造られていたことを知ると、当時の南越国の繁栄ぶりも想像しやすくなります。

広州2000年の歴史が重なる遺跡

王宮展区の面白さは、南越国の遺跡だけではありません。

遺跡には秦・漢から中華民国時代まで、13の時代にわたる文化層が積み重なっており、この一帯が長い間、広州の中心として使われてきたことが分かります。

南越国だけでなく、「広州という都市がどのように発展してきたのか」を知りたい方にも興味深い場所だと思います。

王墓展区と王宮展区を両方回るなら地下鉄2号線が便利

南越王博物院の2つの展区は離れていますが、どちらも地下鉄2号線沿線にあるため、続けて観光することができます。

おすすめは以下のルートです。

おすすめルート
  • 王墓展区

    徒歩

  • 越秀公園駅

    地下鉄2号線

  • 公園前駅

    徒歩

  • 王宮展区

    徒歩

  • 北京路歩行街

王墓展区の最寄りとなる越秀公園駅から、王宮展区の最寄りとなる公園前駅までは、地下鉄2号線で乗り換えなしで移動できます。

王宮展区の見学後はそのまま北京路周辺を散策できるため、半日の広州観光ルートとしても組みやすいと思います。

南越王博物院観光の所要時間

見学時間は展示をどこまでじっくり見るかによって変わりますが、目安としては、

  • 王墓展区:約1時間30分〜2時間
  • 王宮展区:約1時間〜1時間30分
  • 両方を見学:約3〜4時間

程度を考えておくとよいでしょう。

時間が限られている場合は、実際の南越文王墓と代表的な出土品を一度に見られる王墓展区を優先するのがおすすめです。

半日程度の時間が取れるのであれば、王墓展区と王宮展区を両方訪れることで、南越国の歴史をより立体的に理解できます。

南越王博物院を訪れる際の注意点

南越王博物院を訪れる際、特に覚えておきたいのは「王墓展区と王宮展区は別の場所にある」という点です。

現在は同じ南越王博物院ですが、歩いてすぐ隣にあるわけではありません。Googleマップなどで目的地を設定するときは、王墓展区と王宮展区のどちらへ向かうのかを確認してください。

また、王墓展区の墓室下層は通常の入場券とは別に予約が必要です。

中国の博物館では事前予約が必要な施設も多いため、南越王博物院についても訪問前に最新の予約方法を確認しておくと安心です。

まとめ

南越王博物院は、南越国第2代王の墓を中心とする「王墓展区」と、約2000年前の王宮跡を保存する「王宮展区」の2か所から構成されています。

もともとは西漢南越王博物館と南越王宮博物館という別々の施設でしたが、2021年に統合され、現在の南越王博物院となりました。

王墓展区では、南越文王墓に加えて絲縷玉衣や文帝行璽の金印など貴重な出土品を見ることができます。一方、王宮展区では南越国の王宮や庭園の遺構が残されており、それぞれ違った面白さがあります。

初めて訪れる方で時間が限られているなら王墓展区を優先し、半日程度確保できるのであれば王宮展区まで足を延ばすのがおすすめです。

2つの展区は地下鉄2号線で移動でき、王宮展区から北京路も近いため、広州中心部の観光にも組み込みやすいスポットです。

2000年以上前から広州が中国南部の重要都市だったことを実感できる場所ですので、歴史や遺跡に興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。

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