こんばんは。オヤジです。
香港にかつて存在した「九龍城砦」。建物が複雑に入り組んだ独特の景観は現在でも多くの人を惹きつけていますが、1990年代に取り壊されたため、当時の街並みを見ることはできません。
そんな九龍城砦の世界を体験できるのが、九龍寨城公園で開催されている「九龍城寨光影之旅」です。
香港映画「九龍城寨之圍城」(日本では「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」として公開)の世界観をもとに、映画に登場した理髪店や冰室、魚蛋工場、狭い路地などが再現されています。
しかも開催場所は、かつて本物の九龍城砦が存在していた九龍寨城公園です。
この記事では、「九龍城寨光影之旅」の入場方法や映画セットの見どころ、アクセスについて紹介します。
九龍城寨光影之旅とは?
「九龍城寨光影之旅(Kowloon Walled City: A Cinematic Journey)」は、映画「九龍城寨之圍城」の世界観を再現した映画セットの展示です。
映画制作に携わったチームによって手がけられ、かつて九龍城砦が存在した現在の九龍寨城公園に、映画でおなじみの風景が再構築されています。
展示期間は2025年5月24日から2028年5月23日までの3年間を予定。入場は無料です。
単に映画の小道具を並べただけの展示ではありません。
香港らしい伝統工芸を取り入れた装飾や店舗、九龍城砦をイメージした細い路地などが再現され、大型映像も活用し、1980年代の九龍城砦の雰囲気を体験できるようになっています。
この記事では「九龍城砦」「九龍城寨」「九龍寨城」という似た表記が登場します。
「九龍寨城」は歴史的に使われてきた名称で、現在の「九龍寨城公園」という名称にも使われています。一方、「九龍城寨」も香港で広く使われている表記で、今回紹介する「九龍城寨光影之旅」ではこちらが正式名称となっています。
日本では「Kowloon Walled City」を「九龍城砦」と呼ぶ表記が広く知られています。
そのため、この記事では「九龍城寨光影之旅」や「九龍寨城公園」といった固有名詞は正式名称を使用し、かつて存在した街については基本的に「九龍城砦」と表記します。
九龍城寨光影之旅の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中国語名 | 九龍城寨光影之旅 |
| 英語名 | Kowloon Walled City: A Cinematic Journey |
| 開催場所 | 九龍寨城公園 |
| 開催期間 | 2025年5月24日~2028年5月23日 |
| 営業時間 | 9:00~19:00 |
| 入場料 | 無料 |
| 入場方法 | 現地で整理券を受け取る |
| 最寄り駅 | MTR屯馬線 宋皇台駅、観塘線 樂富駅 |
営業時間などは変更される可能性があるため、訪問前には香港政府観光局のイベントページで最新情報を確認することをおすすめします。
なお、九龍寨城公園そのものの開園時間とは異なりますので注意してください。
九龍城寨光影之旅の入場方法
九龍城寨光影之旅は無料ですが、自由に出入りする形式ではなく、混雑を避けるため入場人数と見学時間が設定されています。
会場内に同時に入場できる人数は最大60人です。
平日の9:00~12:00(香港の祝日、中国本土の春節・労働節・国慶節のゴールデンウィークを除く)は1時間に2回、各回25分。それ以外の時間帯は1時間に3回、1回15分を基本として運営されています。

整理券は九龍寨城公園の「衙門」前にある案内所で配布されます。
| 見学時間帯 | 整理券配布開始 |
|---|---|
| 9:00~14:00 | 当日8:45~ |
| 14:00~19:00 | 当日13:45~ |
整理券は1人1回につき2枚までで、先着順です。
指定された入場時間を過ぎると整理券は無効となります。遅れた場合は、新たに整理券を受け取るか、待機列に並ぶ必要があるため、時間には余裕を持って戻りましょう。
なお、各回に空きがあれば、整理券を持っていない人が待機列から入場できる場合もあります。
見学時間は決して長くないため、映画のセットをじっくり見たい方や写真を撮りたい方は、入場後の時間配分も意識しておくとよいでしょう。
九龍城寨光影之旅を見学
九龍城寨光影之旅は8つの展示エリアで構成されています。

入口から順に進むと、九龍城砦の街に入り込み、その内部を歩いていくような感覚で見学できます。
入口の花牌と城寨街坊會から始まり、士多・跌打館、魚蛋工場、牙醫診所、城寨光影天台、窄巷內街、龍城髮廊、七記冰室へと続きます。
入口の伝統花牌と城寨街坊會
最初に目に入るのが、色鮮やかな「花牌(ファーパイ)」です。

花牌とは、香港の祭事や祝い事などで使われてきた大型の伝統装飾です。文字や花などで華やかに飾られており、映画セットへ入る前から香港らしい雰囲気を楽しめます。

その奥には、九龍城砦の住民組織をイメージした「城寨街坊會」が再現されています。
ここから先は一気に雰囲気が変わり、雑然とした看板や配管が入り組む九龍城砦の世界へと入っていきます。
士多と跌打館
続いて登場するのが「士多」と「跌打館」です。

「士多(ストー)」は英語の「store」に由来する香港の言葉で、食料品や日用品などを扱う小さな商店のことです。
限られたスペースにさまざまな商品が並ぶ様子が再現され、かつての香港の生活感を感じられる展示になっています。

隣にある「跌打館」は、打撲や捻挫などを伝統療法で治療する診療所です。
こうした観光向けの華やかな施設だけでなく、住民の日常に根ざした店舗まで再現されている点も、この展示の面白いところです。
魚蛋工場
映画を見た人なら印象に残っているのが「魚蛋工場」ではないでしょうか。

魚蛋とは、魚のすり身を丸めて作る香港ではおなじみのフィッシュボールです。
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」では、主人公の陳洛軍が九龍城砦に入り、魚蛋工場で働く場面が登場します。
工場内には作業台や調理器具などが細かく配置されており、映画の場面を思い出しながら楽しめるセットです。
牙醫診所
九龍城砦を語るうえで象徴的な存在の一つが「牙醫診所」、つまり歯科医院です。
九龍城砦にはかつて多くの歯科医院がありました。


展示では当時の診療所をイメージした古い治療台や看板などが再現され、現在の清潔で明るい歯科医院とは大きく異なる独特な雰囲気です。
歴史について詳しく説明する展示ではありませんが、映画の世界だけではなく、かつての九龍城砦で営まれていた生活の一端も感じられます。
城寨光影天台
展示の中でも少し雰囲気が変わるのが「城寨光影天台」です。
九龍城砦では建物が密集していたため、屋上は洗濯物を干したり、住民が過ごしたりする貴重な空間でもありました。
ここでは大型プロジェクションを使い、九龍城砦の昼から夜への変化などを映像で再現しています。
さらに印象的なのが、かつて九龍城砦のすぐ近くにあった啓徳空港へ向かう飛行機を再現した演出です。
映像と音を組み合わせることで、建物のすぐ上を航空機が通過していた当時の環境を疑似体験できるようになっています。
窄巷內街
九龍城砦らしさを特に感じられるのが「窄巷內街」です。
高層の建物が隙間なく並んでいた九龍城砦の内部には、太陽の光がほとんど届かない細い路地が張り巡らされていました。

展示では、そうした狭い路地に看板や配管、電線などを配置し、独特の街並みを再現しています。
周囲には裁縫店や靴の修理店など、住民の日常生活を支えていた小さな店舗をイメージしたセットも並びます。
映画を見ていない人でも、「九龍城砦と聞いてイメージする風景」に最も近い展示の一つだと思います。
龍城髮廊
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」を見た方にとって外せないのが「龍城髮廊」です。
映画でルイス・クー(古天樂)が演じる龍捲風が営んでいた理髪店が再現されています。

鏡や椅子、理髪道具など、店内には細かな小道具が並び、映画を見た人であれば「あの店だ」とすぐに分かるでしょう。
派手なセットではありませんが、登場人物たちの生活を感じられる場所であり、映画ファンにとってはじっくり見ておきたい展示です。
七記冰室
最後に登場するのが「七記冰室」です。
冰室(ビンサッ)は、軽食や飲み物などを提供する、香港ならではの昔ながらの喫茶店のようなお店です。
映画でも登場人物たちが集まる場所として描かれており、龍城髮廊と並んで作品を象徴するセットの一つです。

テーブルや椅子、食器、店内の装飾まで作り込まれているため、セットの中に入ると映画のワンシーンに入り込んだような雰囲気を味わえます。
映画を見てから訪れると、より楽しめる場所だと思います。
九龍寨城公園も一緒に見学しよう
九龍城寨光影之旅だけを見て帰ってしまうのは少しもったいありません。
展示が開催されている九龍寨城公園は、実際に九龍城砦が存在していた場所です。
公園内にはかつての南門の跡や衙門など、九龍城砦の歴史を伝える場所も残されています。
ただし、これらについては既存の記事で詳しく紹介していますので、歴史や公園内の見どころを知りたい方はそちらをご覧ください。
映画セットを見たあとに公園を歩いてみると、「映画で再現された九龍城砦」と「実際に残された九龍城砦の痕跡」を一度に楽しむことができます。
九龍城寨光影之旅を訪れる際の注意点
九龍城寨光影之旅を訪れる際に最も注意したいのが整理券です。
整理券は先着順で、午前と午後に分けて配布されます。観光客が集中する日は希望する時間帯の整理券を確保できない可能性もあるため、九龍城周辺の観光予定には少し余裕を持たせておくと安心です。
また、見学できる時間は、時間帯によって15分または25分です。
8つの展示エリアがあり、細かな小道具まで見たり写真を撮ったりしていると意外と時間がかかります。
特に映画ファンの方は、龍城髮廊や七記冰室などで時間を使いすぎないよう、全体を一度見てから気になる場所をじっくり見るのもよいでしょう。
まとめ
今回は、九龍寨城公園で開催されている「九龍城寨光影之旅」を紹介しました。
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」に登場した龍城髮廊や七記冰室、魚蛋工場などが再現されており、映画を見た方なら、より楽しめる展示です。
一方、狭い路地や昔ながらの商店、頭上を飛ぶ飛行機など、かつての九龍城砦での生活を感じられる工夫も多く、映画を見ていなくても十分楽しめます。
さらに、この展示の大きな魅力は、実際に九龍城砦が存在した場所で開催されていることです。
九龍寨城公園に残る遺構もあわせて見学すれば、映画で再現された世界と実際の九龍城砦の歴史を、より深く楽しめると思います。



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